約0.05mmの不織布を12枚重ねたものに超音波溶着機 SUW300を使用して直線を描いてみました。
対象素材 | 不織布 0.05mm × 12枚重ね |
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使用機器 | 超音波溶着機【SUW300】 |
スズキ超音波溶着機(ウェルダー)はハンディー機なので、点(ポイント)溶着を基本としていますが、機械に搭載することで
様々な溶着を行う事ができます。 今回はハンディーでは難しい真っすぐな線を描いてみました。 直線的に溶着することをライン溶着と言います。
〇 準備したものは、スズキ超音波溶着機 SUW300、特殊ホーン(今回は先端にRを付けたものを使用しました)、搭載した機械はIHI社製TTA型3軸ロボット(当社のテスト機です)
〇 素材は、マスク等にも使われる厚みが約0.05mmの不織布を12枚重ね約0.6mmとしたもの
〇 溶着スピードは約30mm/秒のゆっくりとしたスピードとして溶着強度を重視しました。
◇ まずはセッティングから
特殊のホーン(先端径:約Φ3、 R1.5mm)を取付けます。 敷板はアルミ板を使用しました。
敷板とのクリアランスは0.12mm ~ 0.22mm(この値が重要です。)
機械に取付けた状態と、ホーンの画像です。
◇ 発振後、右手方向に連続溶着します。
連続溶着後の画像です。機械は同じスピードで確実に直線を引いてくれるのがハンディーではかなわないところです。
もちろんデータを入れれば曲線を含めた絵も描けるのですが、それはどこかの展示会でデモにてご覧にいれたいと思います。
◇ 溶着ですから溶着強度が大事なのですが、12枚重ねた0.6mm程度の不織布なら溶着後光に透かすと溶着部だけ透明に近くなり
しっかりと溶着できたことが確認できます。 左右6枚ずつを引っ張ってみても剥がれる様子はありませんでした。
ちなみに重ねる枚数を倍にした24枚でもトライしてみましたが、横移動時に素材が撚れて上手くいきませんでした。
もう少し工夫が必要なようです。
◇ ポイント
・ 素材のクランプはしっかりと
・ 敷板とホーン先端のクリアランスはテスト素材、ホーン素材、溶着スピード等を考慮し決定する
・ 敷板はアルミより硬い方が滑りが良い
※ 今回の事例はあくまで当社内でのテスト結果であり、実際にご使用の際は現場にて工夫しトライしてください。
上記は溶着の一例として、ご覧いただいた皆様のヒントになればと思います。
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