スズキ超音波溶着機『SUW300』を使用して不織布マスクのフィルター部分を速やかに溶着する方法を考える 【動画あり】
対象素材 | 不織布マスク |
---|---|
使用機器 | 超音波溶着機【SUW300】 |
前回、スズキ小型超音波溶着機「AUH30CW」を使用して不織布マスクの耳ひも溶着を紹介したところ、期待以上の評価を
いただき、さらに不織布マスクのフィルター部分(本体部分)を溶着するにはどうしたら良いのかというお問い合わせを
多数いただきました。
〇 不織布マスクの生産は高速にて量産できることが必修条件となるかと思いますので、当社が得意とする小型ハンディー機
ではなく、高出力溶着機を内蔵したマスク専用機での生産が一般的ですが、溶着機は出力が高くなるほど高コストとなる
ばかりで、新規にマスク生産を行なうには、納期はもちろん費用vs効果を考えると簡単に参入できないと考えてしまうのが
普通です。
そこで当社では、できるだけ標準機種を使用し安価であるにもかかわらず、ある程度高速に不織布マスクのフィルター部分を
溶着する方法を考えてみました。
機材は当社が保有するテスト用を使用していますのでお見苦しい部分もございますがご了承願います。
1. 用意するもの
【超音波機器関係】
- 超音波溶着機 SUW300 一式
- 特殊ホーン 今回は手元にあったホーン(SKH51+レイデント処理品)
- アンビル(受け側)超音波ホッチキス用オプション「チップ RO」
【テスト機材】
- テスト用三軸ロボット(IAI社製)
- ハンドピース取付ユニット(自作)
2. セッティング
① 超音波溶着機 SUW300のハンドピースに特殊ホーンを取り付けます。
② 三軸ロボットにハンドピース取付ユニットを介してSUW300ハンドピースを取り付けます。
③ 特殊ホーンの軸線より数mm進行方向へずらしてアンビル(チップ RO)ローラーを取り付けます。
④ ホーンとローラーとのクリアランスを調整します。
(0.1mm厚の不織布4枚を重ねる場合0.1~0.15mm程度、溶着スピードその他条件により異なります。)
➄ 不織布が浮かず送りがよりスムースになるよう入口側をバー等で下側に軽く押さえます。
3. たった5秒の動画ですが確認してみましょう。 動画での送りスピードは、約75mm/秒ですが、
その後 約200mm/秒となり現在さらに高速化中です。
4. 仕上がり状態 不織布 厚さ0.1mm × 4枚重ね , 溶着スピード 200mm/秒
ローレット型のアンビル(チップ RO)を使用 (画像は見やすくするためエッジを強調してあります。)
(一般的な不織布マスクは横のラインが0.5mm程度の点線で溶着している為、さらに高速加工が可)
5. まとめと諸注意
今回は送りを手動で行いましたが、機械搭載により様々な条件での加工が可能かと思いますのでお試しいただければと
思います。
・ 掲載の諸条件はテスト時の数値ですのであくまで参考値です。
・ 連続稼働にはハンドピース後端よりエアを供給し振動子の冷却が必要になります。
・ ホーンとアンビルは直接接触させないでください。接触するとホーンが硬い為、アンビルが欠ける可能性があります。
・ 今回はありあわせのSKHベースのホーンを使用しアンビル側をアルミベースの「チップ RO」を使用しましたが、
基本的にアンビル側はホーンより若干柔らかい材質でお客様にてご準備願います。(当社では販売しておりません。)
6. さらに様々なテストをしております。 ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
株式会社スズキマリン 産業機器課 超音波機器問合せ窓口 053-440-2306 , 2307 (2020年5/2~10はお休みをいただきます。)
サンプル素材検証テストを依頼する スズキ超音波溶着機のデモ機貸出し申込み