【裏技】スズキ超音波カッター SUW30CDを利用して不織布のカットと溶着を行ってみました。
対象素材 | 不織布 0.15mm × 4枚重ね |
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使用機器 | 超音波カッター【SUW-30CD】 |
これまで熱可塑性樹脂の一種である不織布の溶着には「超音波溶着機 SUW300」や「小型超音波溶着機 AUH30CW」
「超音波ホッチキス AUH30」等を使用してきましたが、今回は『超音波カッター SUW30CD』を使用した溶着方法をご紹介します。
通常のカットと組み合わせれば超音波カッターを使用しての「カットandペースト」という形ができあがり、使い方によっては
至極便利、カッターの刃部の裏側(背面の刃が付いていない部分)を使う事から文字通り【裏技】です!
使用した機器は、スズキ超音波カッター SUW30CD という一番よく使われているカッターを使用しました。
これに替刃 H4をセットします。 標準で付いている替刃 H1でも可能なのですが、今回の目的にあった形状のH4を選択しました。
左がカタログの裏面に載っているH4の略図です。
〇 選択した理由は、下記3点です。
・標準刃H1より刃厚が0.5mmと若干厚いこと
・刃裏部(刃背部)が適度に丸くなっていること
・標準刃と比較し長く、手元が見やすいこと
〇 ではご紹介させていただきますが、一般的に不織布は高速カットができて当たり前なのでここでは省略させていただき
不織布(厚さ0.15mm)を4枚重ねて溶着するところからご紹介と致します。
〇 替刃 H4の刃先を拡大するとこのようになっています。
単に替刃を取り付けるハンドピースを回転させて撮っただけですが、左側の画像の左面にカットする為の刃付をしてあります。 右側の画像の左面は当然ながら刃付はしておらずR面となっていることがお判りになると思います。
この替刃 H4の刃付部(左画像の左側)を使ってカットをし
刃裏部(刃背部 = 右画像の左側)を使って溶着する形になります。
〇 ハンドピースを本体にセットし本体電源を入れ、刃裏部を使用しながら通常のカットと同様に素材上を移動させます。
定規は直線を引くために利用しました。
画像の右 → 左に引いています。
刃裏部(刃背部)を使用していることに注目下さい。
・ 条件は下部をご覧ください。
通常のカットとハンドピースが逆さまとなり、発振スイッチを押す指も逆になりますので工夫が必要です。
オプションのフットスイッチを利用すると便利です。
〇 結果は以下の通りとなりました。
・左画像は溶着痕を上から見たところです。
刃厚(0.5mm)の溶着痕が見られます。
・右画像は左側画像の端面(左側部)を確認の為に右にめくって見たところです。
連続溶着されているのが分かります。
雲形定規等を利用すると曲線も自由に溶着が可能です。
〇 諸条件
・ 替刃 H4を利用した理由のひとつに刃厚と記載しましたが、刃厚が薄いとカット時の切れ味は一般的に良くなりますが
今回のような溶着に利用した時は、刃厚が薄いと刃裏を使ったにもかかわらず溶着時に素材が切れてしまい易くなるため、
今回は刃厚0.5mmのH4を使用しました。
また、素材が薄くなるほど切れやすくもなりますので刃厚と溶着速度、加える力で調整下さい。
・ 溶着速度は、素材の厚み(0.15mm×4枚 = 0.6mm)を考え、約400mm/秒としました。
あまり速度を遅くすると素材に穴が空いてしまいますし、早すぎると溶着力が弱くなりますので調整が必要です。
〇 結び
今回は不織布の溶着を一般的な溶着機ではなく、超音波カッターを使う方法を紹介いたしました。裏技とは書きましたが
ハンディータイプのカッターや溶着機は決められた方法だけではなく工夫次第で色々なことができますので、常識にとらわれる
ことなく様々な利用方法にチャレンジしてみて下さい。
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